Logistic Engineering

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倉庫エンジニアリングとは?

一般的に英語の「Enginieering」は工学のことを指します。
その延長で、工学技術のことは「Engineering Technology」と表現します。
そもそも工学とは、基礎科学である「数学」「化学」「物理学」を実用(工業生産など)に応用する学問と言われています。

では倉庫におけるエンジニアリングとは何を指すのでしょうか?
明確な定義はありませんが、Engineeringという言葉は「設計」という意味を含んで使われることがあります。
例)プラント・エンジニアリング
当社は物流の運用「設計」に重きをおいているので、「Engineering」=「設計」という概念は「しっくり」きます。
※数学は使いますが、化学、物理学は意識しては使っていないこともあり。
それらの理由で当社では、「データ分析」を元に、「あるべき運用」の「設計」を行うことを「物流エンジニアリング」と定義しています。

建物にも「設計図」があるように、倉庫運用にも「設計図」が必要です。
大きな建物は「設計図」がないと建てられませんが、倉庫は「設計図」がなくてもとりあえずの運用できるので、「設計図」は見落とされがちです。
もしくは自己流の「設計図」を作って、現場のガンバリズムだけで日々の作業を乗り越えている倉庫も多々あります。
しかし倉庫オペレーションにおいて、多少の上手い下手はあれど、結局は当初の設計値以上のパフォーマンスは出せません。
言い換えれば、「設計図」はその倉庫の制約要因になるわけです。
当社では、「設計」そのものがEngineeringであると考えて、施工やシステム開発工程と区別し、力点を置いています。

では、倉庫の「設計図」とは何を指すのでしょうか?
当社では、倉庫の「設計図」は、「業務フロー」、「レイアウト」、「情報システム」から構成されると考えています。
これらが一体となり、「あるべき運用」を表現したものが、「設計図」という訳です。

一方「データ分析」から、自動的に「あるべき運用」が導かれるかと言うとそうではありません。
似たような分析を行っても、「あるべき運用」の姿が異なることは頻繁に発生します。
分析結果からどのような「運用」を設計するのかは、その人や組織の持つ「スキル」や「知識」によって大きく異なってくるのです。

また分析は仮説を意識して行われるので、仮説の違いで何を重点的に分析するかという意味で、分析手法も異なってきます。

当社では、「最適JOB」という概念と経験により蓄積された「引き出し(具体策)」を元に独自の視点でデータ分析を行い、あるべき運用を作っていきます。

冒頭の図の中に記載されている「最適JOB」とは、「あるべき運用」を導く際の指針を、これまでの経験値を元に体系化したものになります。
「出荷特性」「商品特性」「格納特性」の3つの軸で作業をグループ化(JOB化)し、それぞれのJOBに適した運用手法を検討の上、全体として最適な運用を構築するという考え方です。

今ではほぼ常識となっていますが、「出荷特性」から1オーダー1SKUの小物は、別に切り出して処理するというのもJOB化の一例です。
ただしこれをケース出荷品に当てはめて良いかというと、必ずしもそうではありません。
つまり「商品特性」の加味も必要となるわけです。

これらの物流技術は経験の中で培われるものですので、そういう意味でこの作業は「職人的」な要素を持ちます。
経験豊富な「職人」が、独自の切り口でデータ分析を行い、クライアントに適したオーダーメイドの「設計図」を生み出すのです。

注)上図は少し古いものとなりますが、業務フロー、レイアウト(含む棚やマテハン機器)、支援情報システムを図面に表現した例です。

倉庫設計をマテハン機器メーカーに丸投げすると、どうしても機械偏重な設計になりがちで、導入後にお客様から相談を受けることがあります。
当社では、機械が行うべき作業と、人が行った方が良い作業の区別も、客観的な立場からアドバイスさせて頂けます。
また当社はマテハン機器やシステムの販売は行わないので、最も適した機器や情報システムを自由に選択することも可能です。

上記事例では、マテハン会社が提案した内容から、数億円の投資抑制効果を出すことが出来ました。

これら「倉庫エンジニアリング」を使った物流改善の具体的な進め方につきましては、以下をご参照下さい。

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