WMS選定のポイント

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WMS選定のポイント

1)WMSとは?

WMS(Warehouse Management System)とは、「倉庫管理シスステム」とも呼ばれ、倉庫業務(入荷、保管、出荷、流通加工など)をデジタルデータで管理し、その履歴を管理すると同時に、業務効率や物流品質(誤出荷率など)の改善を支援する情報システム(ソフト)です。
情報技術(サーバー、端末、HHT、通信技術など)の進化により、2000年代の初頭から導入が拡がったWMSですが、最近では ECの拡大や、人手不足による人件費高騰などを背景に、導入範囲が急速に拡大してきました。情報技術そのものの低価格化により、これまでは費用対効果が合いにくかった小規模の現場にもWMSが浸透してきています。

2)WMS選択の難しさ

導入が拡がりつつあるWMSですが、その選定作業は、想像以上に複雑で難易度が高いです。当社なりにその原因を整理してみました。

2.1 種類の多さ

導入範囲の拡大とともに、WMSの提供企業やサービスも急増し、今や市場には多種多様なものが乱立している状態です。
ネット検索で上位にくる「比較サイト」では、2024年2月時点で最大で67社37製品を掲載するものも存在します。これだけ数が多いと導入を検討される企業も、どのベンダーに声を掛ければ良いのか、迷うのではないかと思います。中には他社製品を名前だけ変えているOEM型のWMSもありますが、その判別は困難です。
2.2 情報の客観性

各社のWMSはそれぞれ特徴があり、得意とする分野も異なります。逆に言うと不向きな分野や、触れて欲しくない部分もあります。

一方で「比較サイト」に掲載されている情報は、ベンダー側がサイトに対して広告費を払っているケースも多く、掲載内容は基本自己申告となり、自社に不利になる情報は基本掲載されていないと考えて良いでしょう。
2.3 優良ベンダーの抜け漏れ

広告料や紹介料で合意に達したベンダーのみが掲載されている「比較サイト」では、評判の良いWMSが全て網羅されているとは限りません。実際に導入事例も多く、対応も良いのに、「比較サイト」に掲載されていないWMSが見受けられます。
それには、以下のようなベンダー側の事情も影響していると考えます。
・「比較サイト」の数や掲載企業数が増えると、受注確率が下がり、すべてのサイトに網を張ると、広告費倒れする怖れ
・「比較サイト」からの引き合いは、基本「相見積もり」になるので、提案にかかる工数と受注確率との比較からの営業効率評価
2.4 お勧めできないベンダーの存在

WMSを、自社の3PL事業(物流受託など)に顧客を誘導する位置づけで提供している会社や、実際に導入したクライアントからの評判があまり良くない会社でも、「比較サイト」ではどの会社も並列で掲載されてしまいます。特に後者は、ネットなどでは出回わらない情報なので、業界での評判を知らず料金比較だけで選択してしまうケースも多いのではないかと想像します。
2.5 WMSによる料金体系の違い

WMSベンダーによって、料金体系も多種多様です。中小規模向けの「利用料型」か、大規模向けの「ライセンス買取型」かによってコストは大きく異なるのは勿論のこと、それぞれのタイプの中でも処理行数、拠点数、HHT台数、カスタマイズ度合いによって、費用が大きく異なります。サーバーの利用料やDBのライセンス・保守料が含まれているかも確認していきたいところです。

3)WMS選定のポイント

ここまでWMS選定の難しさについて述べてきましたが、それでは自社に最適なWMSを選定するにはどうすれば良いでしょうか?この章ではそれらについて述べてさせて頂きます。

3.1 RFP(提案依頼書)の作成

WMSベンダーの比較選定を行うには、自社の倉庫運営に必要な機能(要件)を事前にしっかり詰めておくことが何よりも重要です。それを怠ると、各社を同条件で横比較することは不可能であるのは勿論のこと、発注後、実際の導入時に予想外の追加費用が発生してしまうリスクを抱えてしまいます。
それらを避けるため、一般的にはRFP(提案依頼書)という形で自社が求める機能を書面に整理した上で、各社の見積もりを取得します。特に自社の特殊な機能やDB構造やプログラムに影響を与える可能性のある機能は要注意です。
3.2 業務改善の推進

WMSを導入しても、現状の業務のやり方のまま単純にIT化するだけでは面白くありません。せっかくの導入(またはリプレース)機会を利用し、WMSが標準で持つ様々な機能も活用して、それ以上の業務効率や物流品質を上げることを検討することをお勧めします。WMS導入しよる改善効果が増えれば増えるほど、社内での説明や説得も円滑に進むと考えます。
3.3 トータル費用での比較の重要性

各社の初期費用とランニング費用のバランス(料金体系)も様々で、5年10年の中長期のトータルコストで比較する必要があります。
実際に当社が選定支援を行ってきた案件では、5年間のトータル費用でベンダー間に概ね2倍~3倍近いコスト差が発生します。HHTの使用台数にもよりますが、中長期の比較でみると、中規模クラスの荷主様でも最初に「ライセンス」を買い取っておいた方が安いケースも多々発生します。

4)当社のWMS選定支援サービスのご紹介

WMS選定においてはRFPの作成が重要であると先述しましたが、荷主様サイドはWMSのRFP作成は初めてのケースが大半です。そもそもRFPをどう書けば良いのか、自社の業務のどこが特殊なのか/一般的なのか?などで悩まれるケースが多いです。

当社はこれまで様々な業種・業態のクライント様に対して、WMS導入をお手伝いしてきました。その中で、蓄積した知見や経験を元に、貴社に最適なWMS選定をご支援します。これまで複数ベンダーからの見積もりを取得する中で、主要WMSの得意不得意やコストパフォーマンスについても概ね理解をしていると自負しています。候補ベンダーの抽出段階から、RFPの作成、ベンダー比較、導入支援まで、荷主様サイドの専門家としてのお手伝いが可能です。

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